シ集
ドライヤーで涙を乾かそうとした
一日中音を殺して生きてきたんだから
今ぐらいいいでしょ
本当の愛なんて
探すだけ無駄で
絶望と毎日にらめっこして
それを生きることだと誰が言ったの
すぐそこに暗闇はいつもいて
見えないフリ
忘れたフリ
冬眠
今日ポッカポカの天気なのに
全身黒コーデ
黒ブーツ
黒いトートバッグ
髪はどうせ風で乱れるからとかしただけ
久しぶりに見る太陽で
くしゃみが出そう
サングラスしてくればよかった
くしゃみが出そうで出ないから
鼻が痛いじゃないか
やっぱり私はじっと
布団の中で自分に埃が積もるのを
待つのがいいみたいだ
炎の中身
人生の中で一番腐り腐ってる自分なんて
誰が愛せるの
自分自身だって愛せない
拷問の繰り返しで
傷跡は消えないし
なかったことにもならないし
やり直せないし
ただ一息つきたいだけなのに
なんでどこにも寄りかかれる場所がないの
寄りかかろうとしたらそれは針の山だった
自ら光を求めて火に手を突っ込む
分かっていてもそれしか灯りが見えない
周りが止めても藁にもすがる気持ちで
重症の大火傷を負うまで我に帰れない
現在地
私の心は
嵐の海と
ざわめく森と
朝霧の静かな池にある
今の私は沈没寸前の音を奏でる船である
ギシギシ
ガランゴロン
静けさに鳴り響く
腐り砕ける船体の
いっそ
この、底を知らない
光のことも知らない
海底へ滑り落ち
人知れず歳月を過ぎ去りたく